シルク募集馬検討会。
その12。今回はハービンジャー!

なかなかに難しいお父さんですね。

産駒の特徴としては概ね洋芝適正抜群。
ディアドラのような大当たりがいる一方で他の名だたる名種牡馬達と比べると勝ち上がり率はやや低く、ギャンブル性が高い種牡馬ですよね。

はい、そんな印象。いつもの確認事項。

<時代考証>
20年世代のハービンジャー産駒たちは17年,18年の産駒成績を見て種付けされた子達ですね。
その間のハービンジャー産駒は大活躍。
14年産駒、ペルシアンナイトがアーリントンCを制するとフローラSをモズカッチャンが人気薄勝ち切り。
秋からが圧巻。紫苑Sでディアドラが初の重賞制覇をするや否や秋華賞で産駒初のG1勝利。
翌月にはモズカッチャンがエリザベス女王杯を制したかと思えば翌週にはマイルCSでペルシアンナイトがG1初勝利。
翌年18年にはブラストワンピースが3歳ながらに有馬記念を制するなど重賞10勝。
勝ち馬も8頭と実に多彩。
14,15年世代はまさしく黄金世代と言えそうですね。
なお19年にはディアドラがナッソーSで海外G1制覇、ノームコアがVM制覇。
つよい。

17,18年,19年の活躍を見れば19,20,21年世代は繁殖の質が良化しているはずですよね。

ということで、今年はかなり期待ができると思いますし、本来なら昨年がチャンスだったんだろうなぁ…と。
まぁ去年はブラックエンブレムしか見えなかったですけど←

はい、種付け料の推移などですが、
この20年産駒は9世代目。黄金世代から推移を。

3年目(13年)に種付けをした産駒は400万円で159頭
4年目(14年)の種付頭数は350万円で114頭
5年目(15年)は400万円に戻って192頭
6年目(16年)は300万円で101頭に減少
7年目(17年)は250万円まで下がり164頭
8年目(18年)に350万円で212頭。
そしてこの世代。9年目は600万円で217頭の大盛況
なお10世代目(20年)は600万円で119頭
11世代は400万円に下がってるんですね。
まさしくジェットコースター。

8世代、9世代はハービンジャー産駒の当たりが潜んでいなければならない世代と言えそうです。

なお、配合的には馬体に緩さがあるとよく言われるハービンジャーを引き締める血が有効だそうで、
キンカメ、Deputy Minister、サンデー+ヌレイエフの肌馬との相性が良いそうです。
逆にこの手のタイプなので、ハーツクライとは相性が悪そうですね。

前置き完了。
本題いってみましょう。

アグレアーブルの2020
 父ハービンジャー
 母父マンハッタンカフェ
栗東・松下武士厩舎 3,200万円 4/11生まれ

コメント
Northern Dancer 5×5のクロス持ちで母7歳時の初仔

この子の祖母はプリティカリーナということで、
昨年のプリティカリーナの記事から簡単に引用&追記

母(プリティカリーナ)自身はかなり優秀で2番仔から4番仔にかけて3頭連続で3勝以上。姉グラマラスライフも得意の新潟18ダートであれば2勝目を上げられそうですし、ジャミールフエルテも時間の問題でしょう。2つ上のイースセティクスは体調の問題でデビューが難しそうですが、初仔とイースを除けば全頭勝ち上がり。1つ上の姉はセレクト1.8億。期待のほどが伺えますね。
さて、本馬ですが母はどちらかと言えば芝ダート問わずマイラー気質な産駒を生む傾向にあり、産駒の勝ち星はマンカフェ産駒のアグレアーブルを除けば1400-1800Mクラス。

まぁこんな感じでかなり安定感のあるお母さん。
よくよく見ればファミリーラインがすごい。
この子の4代母にあたるCara RafaelaはGⅠハリウッドスターレットS勝ち馬。その産駒にはプリークネスSにトラヴァーズS,ジャッキークラブゴールドCと3つのGⅠをそれぞれ5馬身以上の差をつけ圧勝したBernardini。曽祖母に当たるlle de Franceの産駒Love and PrideがパーソナルエンスンH,ゼニヤッタSとGⅠ2勝。そして祖母が前述したプリティカリーナ。
マンハッタンカフェをつけられスタミナとパワーを受け継いだアグレアーブルは別枠。函館が得意なお馬さんでしたね。

そこにつけられたのがハービンジャーで。
函館2000mとかものすごくイメージできる産駒になりそうですね笑

初仔ですが、お母さんのアグレアーブル自体は500Kgほどの馬格を持った馬でしたから初仔リスクも少ない可能性があり。

馬体をしっかりチェックした上で検討に乗せたい1頭ですね。

エルディアマンテの2020
 父ハービンジャー
 母父キングカメカメハ
栗東・渡辺薫彦厩舎 2,000万円 2/7生まれ
Northern Dancer 5×5 母5歳時の初仔。

もうパッと見てキャロットじゃ無いんだ
って印象を持ちましたが、ディアデラノビアのファミリーラインです。

曽祖母に当たるポトリザリスがナショナル大賞に亜オークスのGⅠ2勝馬。
その産駒がディアデラノビアになるのですが、他にもステイヤーズS2着のイグアスがいて。

そしてやはり何と言ってもディアデラノビア。
GⅠだとブロンズコレクターになってしまいました。(オークス、VM、エリ女3着)。そして重賞3勝。

その産駒からはこちらも重賞3勝のディアデラマドレにドレッドノータス、サンマルティンにディアデルレイ。孫世代からはクラヴェル。

うん、優秀。
そして前述した通り好相性な母父キングカメカメハ。
この組み合わせはブラストワンピースにモズカッチャンですね。

やすいなぁ。ほしい。
まぁそう思う人ばっかりだろうなぁ…笑
はい、新たな優抽候補です。

シャクンタラーの2020
 父ハービンジャー
 母父ゼンノロブロイ
美浦・中川公成厩舎 2,000万円 4/19生まれ

コメント
Mr.Prospector 5×4,Hail to Reason 5×5,Northern Dancer 5×5、母7歳時の2連産目の2番仔。

まぁお母さんの年齢とかは完全に狙い目ですよね。
というかハービンジャー600万円だよね…?安くない?笑

まぁそんな感想は後にするとして、まずは牝系チェック。去年のものを引用&追記。

祖母はムガール。シャクンタラーは全5勝を挙げ、ダイヤモンドSで4着になったノーステアの全妹。
4代母のIntrepidityが牝馬として優秀。
英オークスにヴェルメイユ賞、サンタラリ賞とGⅠ3勝。カルティエ3歳牝馬に選ばれた名馬。
曽祖母ムガメールからはメガトレンドにフォーリクラッセが4勝で準OP,OPクラス。

ハービンジャー×ゼンノロブロイの字面からは少し緩さを感じないでは無いので個人的にはすこーし評価低めではあるんですが
私が過去にカラーパドックみてオッとなったミエノムガールがでたファミリーラインですから
筋肉質なしっかりした子が出る可能性は捨て切れず。

是非とも馬体を見てみたいですし、なにより募集価格2,000万円。
え、ほんとどうしたのハービンジャー産駒。
種付け料200万くらいだっけ?笑

はい、ふざけてないで次に行きます。

ゼマティスの2020
 父ハービンジャー
 母父ゼンノロブロイ
美浦・武藤義則厩舎 1600万円 5/1生まれ

コメント
母12歳時の8番仔で8連産目。
Danzig 4×5,Northern Dancer 5×5,Mr.Prospector 5×5のクロス持ち。

フライング気味なんですが真面目な話で、こんな子を実績で取れるようになりたいですね。

では、牝系チェック。
この子のハイライトは3代母のソニンク牝系であることでしょうね。
ソニンクの血はとても優秀で、そのファミリーラインからはダービー馬ロジユニヴァースにナッソーS勝ち馬のディアドラを筆頭に
ジューヌエコール、ランフォルセ、ノーザンリバーなど幅広い活躍馬を生み出す名牝系。

ゼマティスはそんな一族においてロジユニヴァースの半妹で4番仔に該当します。
ゼマティス自身は勝ち上がることはできなかったものの、ペンテシレイアにアドマイヤザーゲなどが複数勝利を挙げており、母の活力は失われていないものとみたいですね。

坂東牧場さんの募集馬ということと、価格設定から去年のワイオラの19(リンドラゴ)みたいなご縁があっても不思議ではないぞ、と思いつつ
この仔の馬体を楽しみに待ちたいと思います。

ツルマルワンピースの2020
 父ハービンジャー
 母父ゼンノロブロイ
美浦・大竹正博厩舎 7,000万円 3/15生まれ

コメント
Northern Dancer 5×5×5,トライマイベスト=El Gran Senor 5×4,His Majesty=Graustark 5×5
母12歳時の2連産目の5番仔。

まぁ深い説明もいらないでしょう。
3歳で有馬記念を制したブラストワンピースの全弟。
半姉は2頭しっかりと勝ち上がり。
ホウオウピースフルはフローラS2着。

一応いつものなんで牝系振り返れば4代母のSummer Reviewは母やその産駒含めて重賞常連。
このファミリーラインはその仔、エラティスから日本に定着しますが、代表産駒としては先に記したブラストワンピースの他にもアルナスラインがいて。

重賞勝ち鞍こそ少ないものの、堅実に走る子が多いことは誇っていい部分だと思います。

欲しいか要らないかで言えば
昨年、違いを破ってブラックエンブレムから浮気してサンドレス(ツルマルワンピースの19)に行きかけたくらいには欲しいですが
待望に牡馬に出たとあってお値段もなかなかですし、今年は眺めて終わりとなりそうです。

動画は楽しみにいてますけどね笑

ディープストーリーの2020
 父ハービンジャー
 母父ゼンノロブロイ
美浦・中川公成厩舎 2,000万円 4/19生まれ

コメント
Northern Dancer 5×5,Lyphard 5×5、母10歳時の4連産目の4番仔。

ディープストーリーも去年も募集のあったお母さんなので引用&追記

母のディープストーリーの母系で目を引くのが祖母リードストーリー。GI勝ちこそないもののアメリカGⅡ 3勝を含む8勝の成績は立派なもので、その産駒たちもデビューした馬は初仔を除き全頭勝ち上がり。
ディープストーリー自身も初仔が未勝利勝ちと勝ち上がり率の優秀さはかなりのものがあると思われます。
母ディープストーリー自身の勝ち鞍や、兄ビーマイオーシャンの成績を踏まえるとおそらく本馬も中長距離に適正を見出せそうで、他の牝馬とはあまりかち合わない適性を見せてくれそうではあります
ちょびっと追記すると、まだまだSample数が少ないので何とも言えませんがどちらかと言えば牡馬の産駒がよく走るファミリーラインのように見受けられますね。

ただ、母父ディープ×父ハービンジャーの組み合わせは勝ち上がり数も多く18頭。
正確に数えたわけではありませんが、ざっくり目算で40-50%程度の勝ち上がりを示していると思います。

有力ところはケイティクレバーとヒンドゥタイムズ。
前者は所謂ナスキロクロス持ちの牝系でヒンドゥタイムズにはNureyev。3勝を挙げたパッピーアワーはStorm Cat。

いずれもスピードの元になりそうな血を持っていて。

ディープストーリーは?と言うとIn Realityでしょうか。少し祖先までが遠いような気もしますが、ケイティクレバーも近くはないところから結果を出せていますし、そこに期待したいところ。

青本なんかを見ると岡田牧雄さんとかが繋の緩さ云々という話をよくされているのを見かけますから、この子に関してはそこをうまく見極められるようになりたいですね。

はい、やっぱ早く動画が見たいよ。うん。

今日は以上ですね。

気になるの順番ではツルマルワンピース>>エルディアマンテ>ゼマティス>ディープストーリー>アグレアーブル>シャクンタラー

まぁあれです、割安価格が多いのでチャンスがあれば狙ってきます。

明日以降もよろしくお願いいたします!!